
一升餅という習慣をご存じでしょうか。
主に、東の方でよく聞く行事です。
誕生餅、踏み餅とも言います。
1.一升餅とは? |
2.どうやって背負わせるの? |
3.なぜ歩くのを妨害するの? |
3-1.歩くのは遅い方がいい? |
一升餅とは?
一升分(約1.8kg)のお餅を、1歳の赤ちゃんに背負わせます。
一生食べるものに困らないように……という願いをこめて行います。
日本のお祝いごとは「めで鯛」「よろ昆布」のようなダジャレと縁が深いのですが、
一升餅も「一升」と「一生」をかけているようです。
どうやって背負わせるの?
一升餅の形にもよりますが、風呂敷に包む、リュックを使うなどして背負わせます。
お餅を赤ちゃんに背負わせたあとどうするかは、地方によってさまざまです。
- お餅の上に座らせる
- お餅を踏ませる
- わざと転ばせる
- お餅を投げつけて歩かせないようにする
- 歩けなくなるまでお餅を増やす
こういった違いがあるようです。
なぜ歩くのを妨害するの?
歩くのを妨害しているのは「1歳前に歩くと家から早く出ていってしまう」という言い伝えがある地方です。
できるだけ近い場所で暮らしてほしい、家を継いでほしいといった願いがこめられているそうですが、
知らない人が見たら、ちょっと意地悪に見えてしまうかもしれません。
お餅を背負って立ちあがるのを「自分の足で立つ(自立する)」と考える地方もあるようです。
立っても立てなくても、縁起が悪いということはありません。
歩くのは遅い方がいい?
一升餅で歩くのを妨害する地方がありましたが、
早く歩くということはハイハイする期間も短いということです。
ハイハイで腕や手の筋肉を発達させることも大切です。
歩くのが早い子は、バランスを崩しやすいとも言われます。
転んでしまったときも、とっさに手で支えることができません。
赤ちゃんが歩けるようになると成長がわかってうれしいものですが、
身体の準備ができる前に、歩行器などで無理に歩かせすぎないようにしましょう。
早い子だと生後10か月ごろから歩くようになりますが、赤ちゃんの体力にもよります。
1歳2か月頃まで、歩くかどうか様子を見ましょう。